30代柔整師の残業が多い時の働き方見直し

30代柔整師の残業が多い時の働き方見直し

「今日も気づけば閉店後1〜2時間…」「家に着くと子どもはもう寝ている」。30代になってから、柔道整復師としての残業の多さが、体力的にも精神的にもきつくなっていませんか。

とはいえ、患者さんもいるし、スタッフも少ない。簡単に「辞めます」「転職します」とは言いづらい…。そんな中で一人で抱え込んでしまい、「この働き方をこのまま続けて大丈夫なのか?」と不安になっている方も多いはずです。

この記事では、「なぜ柔整師は残業が多くなりやすいのか」という構造から整理し、今の院でできる残業削減の工夫と、どうしても改善しないときの職場選びのポイントまで、30代柔道整復師のリアルに沿って解説します。

残業ゼロを目指す完璧な話ではなく、「自分と家族の生活を守れるラインに残業をコントロールする」ための考え方です。今すぐ転職を決める必要はありません。まずは、あなたの1日のタイムラインを一緒に見直すイメージで、気軽に読み進めてみてください。

なぜ柔道整復師は残業が多くなりがちなのか

受付時間と実際の勤務時間のギャップ

多くの整骨院では「受付時間」と「勤務時間」がイコールではありません。例えば、最終受付が20時でも、20時ギリギリに来院された患者さんの施術が終わるのは20時30分〜21時ということも珍しくありません。

さらに、その後にベッドの片付けやタオルの整理、レジ締め、簡単な日報の共有などが入ると、実質的な終業時間は受付終了の1〜2時間後になることもあります。ここが、求人票や求人サイトだけ見ていると見えにくい「隠れ残業」の正体です。

片付け・カルテ記入・レジ締めという“見えない残業”

施術が終わっても、スタッフの仕事はまだ終わりません。

  • カルテの記入・電子カルテへの入力
  • ベッドメイク・タオルの洗濯準備
  • レジ締め・売上の確認
  • 明日の予約状況の確認と準備

こうした作業が「業務として当然」として残業扱いされない現場も多く、「気がついたら毎日1〜2時間はタダ働き」という状況になりやすいのが現実です。

練習・ミーティングが「サービス残業」になりやすい理由

柔整師の世界では、施術スキル向上のための練習や、院内ミーティングが大切です。しかし、それが業務時間外に当たり前のように行われる文化が残っている院も少なくありません。

「勉強のため」「成長のため」と言われると断りづらく、気づけば毎週のように終業後の練習やミーティングに参加し、慢性的なサービス残業になっているケースもあります。20代のうちはそれで乗り切れても、30代になると同じペースでは、体も生活も持たなくなってきます。

30代になると残業がつらく感じる背景

体力の変化と手技疲労の蓄積

20代の頃は、多少の寝不足や長時間労働でも、翌日には回復できたかもしれません。しかし30代になると、疲労の抜けにくさを感じる人が一気に増えてきます。

1日に何十人もの患者さんを施術する中で、指・手首・肩・腰への負担は確実に蓄積していきます。そこに長時間の立ち仕事と残業が重なると、慢性的な疲労と痛みにつながり、「この働き方をあと10年続けられるのか?」という不安が生まれます。

家族との時間・自分の時間が削られるストレス

30代になると、結婚や子育て、親のサポートなど、仕事以外の役割も増えてきます。仕事が終わる頃には子どもが寝てしまっていて、「ほとんど顔が見られない」という日が続くと、「何のために働いているんだろう」という虚しさが積み重なっていきます。

また、自分自身の趣味やリフレッシュの時間も取れず、心と体の余裕がどんどん削られていくと、仕事への意欲も落ちていきます。

“頑張り続ける前提”の職場文化とのギャップ

院によっては、「若いうちはとにかく頑張れ」「遅くまで練習して当たり前」といった文化が残っているところもあります。20代のうちはそれに乗って成長できたかもしれませんが、30代の今は状況が違います。

家庭の事情を話すと「仕事より家庭を優先するのか」と見られそうで言い出せなかったり、「後輩に迷惑がかかる」と思って我慢を続けてしまったり…。「頑張れない自分がダメなんじゃないか」と自分を責めてしまいやすいのも、この年代の特徴です。

まず「今の残業の中身」を分解して見える化しよう

1日のタイムラインを書き出してみる

いきなり環境を変える前に、まずやってみてほしいのが「1日のタイムラインを書き出す」ことです。

例えば、

  • 8:30〜9:00 出勤・開店準備
  • 9:00〜12:30 午前の施術
  • 12:30〜14:30 休憩・事務作業・練習
  • 14:30〜20:00 午後の施術(最終受付19:30)
  • 20:00〜21:00 片付け・カルテ・レジ締め・練習

というように、実際に自分の過ごし方を書き出すと、何にどれくらい時間がかかっているのかが見えてきます。

本当に必要な業務と、慣習で続いている業務を分ける

タイムラインを書き出したら、そこにある仕事を、

  • 患者さんのために必要な業務
  • 院の運営上どうしても必要な業務
  • 慣習や雰囲気で何となくやっている業務

の3つに分けてみましょう。特に、「なんとなく昔からやっている」仕事や、誰のためか分からない書類・チェックが混ざっていることは少なくありません。

自主練習・雑務・雑談を仕分けする視点

練習や勉強は大切ですが、「毎日ダラダラやる」のではなく、「目的と時間を決めてやる」方が効果的です。例えば、

  • 週2回・30分ずつ、テーマを決めて技術練習をする
  • 練習の時間は勤務時間内か、もしくは残業としてカウントする

というようにルールを決めるだけでも、無意識のサービス残業を減らすことができます。

現職でできる残業削減の打ち手

業務フローの見直しを院長に提案するコツ

「残業を減らしたい」と感じていても、いきなり「残業をやめたいです」と言うのは勇気がいります。そこでおすすめなのが、「提案型」で話すことです。

例えば、

  • 「この作業を午前の空き時間に回せば、夜の片付け時間を20分短縮できそうです」
  • 「カルテの記入をこのタイミングにまとめると、残業が減りそうです」

というように、院のメリット(効率化)も含めて提案することで、現実的な落としどころが見つかる可能性が高まります。

カルテや事務作業の効率化・デジタル化

紙カルテから電子カルテへの移行や、予約システム・レジシステムの導入など、事務作業のデジタル化も残業削減に有効です。すぐにシステム変更が難しくても、

  • 「書く内容をテンプレート化する」
  • 「毎日書いているが誰も見ていない紙を減らす」

といった見直しだけでも、事務作業にかかる時間を短縮できることがあります。

「練習」は時間と回数を決めて計画的に行う

練習は「やるかやらないか」ではなく、「どのくらいの頻度と時間なら無理なく続けられるか」で考えるのがおすすめです。

・週1〜2回、30分〜1時間
・テーマ(矯正・ほぐし・問診など)を決めて集中
・ダラダラ残るのではなく時間を決めて解散

といったルールにすることで、残業のダラダラ感を減らしつつ、技術向上も両立できます。

どうしても残業が減らないときに考えるべき選択肢

残業前提の院かどうかを見極めるサイン

努力しても残業が一向に減らない場合、「そもそも残業前提の院なのか」を見極める必要があります。

例えば、

  • 終業時間を過ぎても新患をどんどん入れる
  • 練習やミーティングはすべて業務時間外が当たり前
  • スタッフのほとんどが毎日遅くまで残っている

といった状況が慢性的に続いている場合は、院の構造自体が「長時間労働前提」になっている可能性が高いです。

残業少なめの職場を探すときのチェックポイント

残業を減らしたいとき、転職先を見るポイントも変わります。求人票を見るときには、

  • 最終受付時間と終業時間がどれくらい離れているか
  • 「残業ほぼなし」が本当かどうか(見学や面談で確認)
  • スタッフに小さなお子さんがいるかどうか

といった点をチェックしてみてください。実際に働いている人の生活リズムを聞いてみるのも有効です。

「月◯時間までなら許容」など自分の基準を決める

100%残業ゼロを目指すのではなく、「自分と家族が無理なく過ごせる残業時間の上限」を決めておくことも大切です。

・月10時間以内ならOK
・週1回・30分までなら許容
・家族の都合がある日は完全ノー残業

など、自分なりのラインを持っておくことで、職場選びの判断軸がはっきりし、妥協しすぎを防ぐことができます。

30代柔整師が“残業に振り回されない働き方”を選ぶために

収入と時間のバランスをどう考えるか

残業を減らすと、短期的には収入が下がることもあります。しかし、心と体をすり減らし続ける働き方を続けた結果、体調を崩したり、仕事自体を続けられなくなってしまっては本末転倒です。

30代からは、「どのくらいの収入があれば、どのくらいの時間を確保したいのか」を現実的に考えることが大切です。

長く働き続けるための“余白”を意識する

柔道整復師としての技術は、年齢を重ねても価値があるものです。その価値を長く活かしていくためには、日々の生活に少しの“余白”を作ることが必要です。

・家族とゆっくり食事をする時間
・体をケアする時間(整体・ストレッチ・運動)
・趣味やリフレッシュの時間

こうした時間を確保できる働き方は、結果的に仕事のパフォーマンスも上げてくれます。

「自分の人生単位」で働き方を決めていい

「院のため」「患者さんのため」と自分を後回しにしてきた人ほど、働き方を見直すことに罪悪感を抱きがちです。しかし、あなたの人生は、あなたのものです。

30代は、これからの10年・20年の働き方を整える絶好のタイミングです。「残業に振り回される働き方」から、「自分の人生と家族を大切にできる働き方」へ、少しずつでもシフトしていきましょう。

残業が基本なしの整骨院で働くという選択肢

もし、あなたが今の職場で「これ以上は残業を減らせそうにない」と感じているなら、最初から残業がほぼ発生しない働き方を選ぶのもひとつの手です。

株式会社ラコルトが運営する藤が丘整骨院では、「残業は基本なし」を前提とした働き方を整えています。さらに、ご家庭の状況に合わせて退社時刻の相談も可能なため、子育てやプライベートとの両立を大切にしたい30代の柔道整復師の方にも安心していただける環境づくりを進めています。

「今より少し、心と時間に余裕のある働き方がしたい」「家族との時間を大切にしながら、資格を活かし続けたい」という方は、一度募集内容を見ていただければイメージが具体的になるはずです。

藤が丘整骨院のキャリア採用を見る

あなたが積み上げてきた経験や技術は、決して「残業に削られるためのもの」ではありません。自分の人生と家族を大切にできる働き方を、一緒に選び直していきましょう。

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よくある質問(FAQ)

柔整師はなぜ残業が多くなりがちなのですか?

最終受付と実際の施術終了時刻のズレ、片付け・カルテ記入などの業務、さらに練習やミーティングが業務外で行われがちな文化が理由です。

30代になって急につらく感じるのはなぜですか?

体力の変化、家庭・子育てとの両立、生活リズムの複雑化により、残業が生活へ与える負担が大きくなるためです。

現職で残業を減らす具体的な方法はありますか?

業務フローの整理、カルテ記入の効率化、練習時間の仕組み化などで改善できます。院長への提案は「効率化」目線で行うと通りやすいです。

転職を考えるべきタイミングはいつですか?

努力しても改善されない/残業前提の文化が根強い/家庭と両立できないラインを超えている などのサインが出ている場合です。

藤が丘整骨院は本当に残業がないのですか?

株式会社ラコルト運営の藤が丘整骨院では「残業は基本なし」を前提に働けます。退社時刻も家庭状況に応じて相談可能です。